有事に備えるBCP対策としての臨時対応の仮設建物・設備

(株) 内藤ハウス

営業戦略推進部

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新興感染症はもとより、災害対応等の有事に備えるBCP対策としての「臨時対応の仮設建物・設備」の整備においては、平時からの備えとして、スピーディかつ安定した質を持つ施設整備が求められている。ここでは、プレハブ建築やリユース資材を中心とする工期の短縮化と機能性の向上、及び事業費低減の具体的事例を示し、有事における貴院での課題に向けた対策と、見込まれる効果について紹介する。

 

(1)プレハブ建築利用による工期の短縮化

臨時対応の仮設建物の整備における最大の要求水準は、適切でかつ、より迅速な整備である。
建築基準法第85条2項では、災害発生時に建設する応急仮設建築物は建築基準法の一部を適用しないとする規制緩和が適用される。そのため、着工前に許認可の届け出が不要なため、作図期間、審査期間を短縮でき、迅速な建設物の設置が可能である。
ただし、この規制緩和を適用し建設した建物を3ヶ月を超えて存続する場合は、3ヶ月を超える前日までに許可を受けなければならない。
臨時対応の発熱外来棟や臨時病棟、ワクチン接種会場等、上記規制緩和適用による同類事例で豊富な実績を有するプレハブ建築は、より迅速な設置が可能であり、工期の短縮化が可能である。

全国自治体病院協議会,賛助会,感染対策

(臨時診療棟)

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(ワクチン接種会場棟)

 

プレハブ建築では、設計基準と使用材料が標準化され、生産工場における製造過程とともに、専門の担い手による現地での組み立て工法も簡易的に確立されている。
一から設計と材料選定、担い手の選定を検討する在来工法に比べて、全体工期の短縮化が可能である。また、プレハブ建築の設計計画を担う設計士の多くにおいては、阪神大震災以降、日頃から臨時対応を想定した設計計画の訓練を重ねているため、適切で迅速な設計業務そのものが工期短縮を後押しする。
さらに、全国自治体の指名入札参加登録済みの企業の生産工場では、不測の事象に備えた相当数のリユース部材の確保とともに、サプライチェーンが整備されていることからも、現地への迅速な材料供給が可能である。

 

(2)リユース資材と機能追加による臨時医療施設への迅速な対応

多床室が多く、個室が少ない病院では、ゾーニング等のための休床や通常診療に大きな制限が生じている。臨時対応の仮設建物といえども、感染症対策を配慮する機能が求められる。
リユース可能な簡易間仕切りにより既存施設を迅速に臨時医療施設への改修が可能である。
また、抗菌材を施した空調機フィルターの活用により、感染源となる汚染空気の排出が可能である。

全国自治体病院協議会,賛助会,感染対策

(簡易間仕切り)

全国自治体病院協議会,賛助会,感染対策

(感染症対策用 空調フィルター)

尚、空調機フィルターの材料は、プレハブ建築と同様にリユース品でもある。リユース品の活用を中心とするプレハブ建築は、暫定利用としての施設に適しており、SDGsを踏まえた環境配慮型の建築物でもある。

 

(3)事業費の低減

コロナ禍における感染症対策においては、全国的に自治体ごとに多額の対策費用が掛けられている。臨時対応の仮設建物の整備といえども、可能な限りの事業費低減が望まれる。
プレハブ建築では、リユース部材の活用と共に、設備機器においても照明器具や空調機器などリユース材の使用が可能なため、在来工法や新品材料での整備に比べて安価な整備が可能である。
臨時の仮設建物としてのプレハブ建築の契約形態は、原則として建物の賃貸借契約による。賃貸借期間中の建物・設備の維持管理は事業者側が担うため、病院側の管理手間の省略が可能である(※契約時に、病院と企業側にて維持管理の業務区分を明示)。賃貸借契約の一方で、仮設建物の一括購入による工事請負契約も可能なため、状況に応じた契約形態の選択ができる。
また、プレハブ建築では臨時用の仮設仕様とともに、恒久的な利活用を目的とした常設仕様の整備も可能である。構造体が軽量鉄骨造である点からも、建築基準法に則した安全性を確保しつつも、重量鉄骨造や鉄骨鉄筋コンクリート造に比べて安価な整備が可能である。

 


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